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パイオニアインドNo.1の子育て情報提供サイトを目指すZenParent

2017.01.04

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インドNo.1の子育て情報提供サイトを目指すZenParent
インド全域および海外在住インド人の子育て世代から支持を得ている、子育て情報のキュレーションサイト「ZenParent.in」。運営するのは、インキュベーターであるi2Indiaから出資を受け、2015年1月に設立されたZenParentです。インドのバンガロールに会社をおき、現在は3人の取締役と従業員を合わせて20名程度の規模へと成長。大手ブランドなど6社のクライアントを抱えています。

今回は、6ヶ月間の訪問者数150万人、月間80万PVを獲得し、Facebookページの読者400万人を誇るウェブサイト運営について、インド企業ZenParentのCEO・Sumit Dharさんにお話を伺いました。

タブー視される話題も扱い、インド流子育て情報を幅広く提供

当社の顧客は2つのタイプに分かれています。1つ目はZenParent.inのユーザー、子育てに関する情報を求める母親です。2つ目はそのユーザーである母親をターゲットに広告を出稿したい企業です。

 

ZenParent.inへは、インドだけでなく、アメリカやカナダ、シンガポール、中東、アフリカからもアクセスがあります。“インド流の子育て”は他の国と様々な点で異なり、国や地域に関わらず“インド流の子育て”に興味を持つ母親たちから支持を得ていると言えます。ユーザーのうち、40%が35~44歳の女性で、次に多いのが25~34歳の女性。ユーザーの90%は女性で、男性は残りの10%です。ZenParent.inは女性のみをターゲットにしているわけではありませんが、やはり子育てに関心の高い女性からのアクセスが大半を占めています。

 

また、ユーザーがZenParent.inを集中して利用する時期は、生前9ヶ月から子どもが4歳になるまでです。この間は子どもに手がかかるため、母親は積極的に子育てに関する情報を探します。特に興味を持たれるコンテンツは、子どもの健康や栄養に関するものや、自分の物を他と区別したり歯磨きやトイレの習慣をつけるなどのしつけに関するものです。

 

一方、インド社会ではタブー視されているテーマにも大きな反響があります。例えば「妊娠中にセックスをしてもよいか?」など、タブー視されているがゆえに不足している情報を、ZenParent.inから得ようとするからです。他にはADHD(注意欠陥・多動性障害)に関するコンテンツも同様です。子どもが3~4歳の時にADHDであることがわかった場合に、母親がなかなか受け入れられないうえ、人にも相談できず悩んでいるケースがたくさんあります。そんな時、当社のメディアからADHDの症状や、診察を受けられる病院、するべきことなどの情報が得られれば、母親は正しい知識を学ぶことができます。

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ユーザーである“母親目線”で、コンテンツを探す手間を減らす

現在、インターネット上には多くの情報が溢れていますが、どれも整理されておらず読みにくいものばかりです。その点、当社はユーザー視点で情報を整理し読みやすいコンテンツとして提供しており、他社との差別化のポイントにもなっています。例えば、妊娠4週目のユーザーであればそれに適したコンテンツのみを、5週目には5週目のコンテンツを、6週目には6週目に適したコンテンツを提供します。母親を手助けするために、コンテンツを探す手間を省くことが狙いです。

 

また、子育ての悩みに答えるコンテンツも多く提供しています。例えば、生後6ヶ月の子どもが風邪をひいた時、アーユルヴェーダ(インドの伝統的医学)の治療を行うべきなのか、西洋医学の薬を飲ませるべきなのかといったアドバイス的な内容です。このような専門領域に関する記事は、当社が提携している医師やエキスパートにインタビューして制作しています。他には、食事についても学んでもらえるよう、栄養バランスを考えたレシピを提供し、食事に含まれる栄養の知識に疎い母親でも理解ができ、学んでいただけるよう心がけています。

3つの価値提供で、継続的なサイト訪問を促す

現在、ZenParent.inは6ヶ月間で訪問者数150万人、月間80万PVを獲得していますが、今後2ヶ月で160万PVまで増やす予定です。そのためには、ユーザーにウェブサイトを継続的に訪問してもらうことが重要なため、現在3つの施策への取り組みを進めています。

 

まず1つ目は、最近開始した購読サービスです。当社からサービス利用者の携帯に向けプッシュ通知を1日に2回送ると、利用者と出産予定時期が近いほかのユーザーが自動的にチャットをできるようになります。似た状況に置かれたユーザー同士がコミュニケーションを取ると、自然と助け合ったりアドバイスをし合ったりする関係になるので、ウェブサイトを継続的に訪れるようになります。2つ目は、健康や栄養、運動に関するエキスパートとの週1回、または月1回のチャット相談サービスの提供。そして3つ目は、クーポンの発行です。今後、ZenParent.inで発行するクーポンで、妊娠期間中に必要な商品が9ヶ月間毎月値引き価格で購入できるようになる予定です。

 

このように、ソーシャル的・金銭的なインセンティブ、専門家からの正しい情報という3つの価値を提供し、購読サービスは開始2週間で5000人の利用者を獲得しています。

良質なコンテンツによってユーザーとの関係を強固なものに

当社のコアバリューは良質なコンテンツであり、その点が他社と差別化できている理由です。他にもインドには子育てに関するウェブサイトがありますが、情報を単に分類するにとどまっているサイトが多い印象です。当社では情報の質に重きをおいて、子育て世代に参考にしていただけるアドバイスを提供しています。

 

そのためZenParent.inはユーザーと深い関係性を築けており、企業からも高い評価を得ています。その証拠に、ウェブサイトの平均滞在時間は通常1~2分と言われていますが、ZenParent.inの平均滞在時間は5~7分にもおよびます。

写真のキャプションが入ります写真のキャプションが入ります写真のキャプションSumit Dharさん(写真左)

今後はインドNo.1の子育て相談サイトへ、国際的な活躍を目指す

当社のビジョンは、インド人にとっての「babycenter.」になることです。babycenter.とは3000万人以上の会員を持つアメリカのウェブサイトで、国際的に非常に高い評価を得ています。babycenter.がアメリカの母親たちに慕われているのと同様に、インドではZenParent.inが子育てを学べる素晴らしいウェブサイトとして慕われるようになりたいと考えています。今後は、規模、顧客との関係性の両方において、インドでNo.1の子育て相談サイト運営会社へと成長し、国際的にも活躍する企業を目指しています。

他社との提供によって、さらなる企業とサービスの拡大を

事業の発展のために他社との提携は不可欠だと考えており、現在2つの方向で可能性を探っています。

 

1つ目は、起業したばかりのスタートアップ企業に対してなされる投資「シリーズA」での資金調達です。これから資金調達を始め、半年後までに300万USドルの調達を目指します。これを成長資金に、人材の確保や、技術開発、企業へのセールス接点を増やすなど、会社と事業のスケールアップを目指しています。

 

2つ目は、国内では手に入らない母親・子ども向けの商品を取り扱う企業との提携です。それらを販売する際に、ZenParent.inが良いプラットフォームになると確信しています。なぜなら、商品のコンセプトを紹介すればユーザーから共感や評価が集まり、見込み客を獲得できるからです。

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阪口 史保

阪口 史保 / Sakaguchi Shiho

フューチャーベンチャーキャピタル株式会社

現在、インドでは結婚して間もない家族が都市へと移り住み、従来の3~4世代が同居する家族形態から核家族へと急速な変化が起きています。インドでは世代の変化により母親が子育てに悩み、社会の中でストレスを抱えている点は日本の子育て世帯とも共通点があるように思います。

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