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パイオニア映像をリアルタイム分析するAI搭載監視カメラで、海外から日本市場の開拓へ

2017.01.04

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映像をリアルタイム分析するAI搭載監視カメラで、海外から日本市場の開拓へ
オープンソース(ソースコードを広く公開し、再頒布も自由に行えるソフトウェア)に比べて2~20倍のスピードで処理を行うカメラ映像分析認識・分析システムを開発。顔面認識、人物認識、物体追跡、人体姿勢認識など、多くの機能を監視カメラに搭載することを可能にし、日本企業を中心に販路を拡大するインド企業 Uncanny VisionのCEO・Ranjith Parakkalさんと CMO・Navaneethan Sundaramoorthyさんにお話を伺いました。

カメラ単体での映像分析やAIによる学習を可能にする
監視カメラシステムの開発

当社の監視カメラシステムは、カメラ端末に組み込んだシステムで映像を分析します。カメラ上で分析を行うので、クラウドには警報だけを送ることが可能になります。

 

また開発中の盗難対策に特化したシステムは、クラウドで警報を受信できるうえ、カメラ映像に対して学習機能が搭載されており、異常事態をシステムが学習していきます。つまり部屋に設置する、道路に設置するなど、カメラの設置場所に合わせ様々な異常事態を学んでいくというわけです。このシステムは、月額利用料で使用できるサービスとして顧客に提供する予定です。

3つのメイン製品で販路を開拓
顧客の70%は日本企業

現在、当社にはCanny CV、Canny DLと、新しいビデオ監視関連システムの3つの製品があります。それぞれ顧客対象が異なり、Canny CVとCanny DLの顧客は、カメラ関係のアプリケーションや組込みソフトウェアを利用する大手企業が対象です。これまでの販売実績としては、自動化機械やロボット、産業機器、ドローンなどの端末が挙げられ、カメラと繋がる機器なら幅広く当社のシステムが採用される可能性があります。

 

一方で、新しいビデオ監視関連システムについては、監視カメラメーカーとそのシステムインテグレーターのほか、小売業やセキュリティ企業なども顧客対象になると考えています。
現在、顧客の70%は日本企業です。それは当社が日本に強い販売パートナー5社と提携しているから。今後は米国にも販路を広げていく予定です。

AIを駆使した世界最新システムで、他社製品との差別化に成功

当社の製品の特性は、デバイス上で分析する以外にAIを使ったディープ・ラーニングを盗難ビデオと人体動作に利用していることです。これは世界でも例を見ない非常に新しいシステムです。

 
現在、世界には3億以上のカメラがありますが、そのほとんどは現場で撮影したデータを保存しているだけ。通信環境が整備されておらず、データをクラウドにアップロードしたり、クラウド上で分析すると、莫大なコストがかかってしまうためです。そこで当社のシステムは、警報が鳴った10~20秒程度の映像のみをクラウドに送信。1日に10回程度なのでネットワークが2Gや3Gでも対応することができます。
また当社のシステムはARM(Advanced RISC Machines;英国企業によるマイクロプロセッサの設計、近年同社はソフトバンクに買収された)系のプロセッサを対象としており、この点も他社と差別化できる点です。

写真のキャプションが入ります写真のキャプションが入ります写真のキャプションCMO・Navaneethan Sundaramoorthyさん(写真左)とCEO・Ranjith Parakkalさん(写真右)

パートナー企業5社を活用し日本市場を開拓

日本市場については5社のパートナー企業とともに開拓しています。コンサルティング会社や組込みシステムの開発会社、半導体商社など、パートナー企業の業種は多岐にわたります。また、自社のWebサイト経由での販路開拓も検討中です。すでにパートナー企業のWebサイトで当社を紹介していただき、日本でも30~40人以上の規模でセミナーを開催しています。その他にも展示会に出展する際には、日本語のパンフレットを配布しています。

 

中期目標は、20万個以上の監視カメラにシステムを搭載すること

今後のビジョンは、AIを使ったディープ・ラーニングによる分析を利用し、監視カメラの市場において一番のサプライヤーになることです。3~4年以内に20万個以上の監視カメラに当社のシステムを搭載することを目指しています。

全く異なる特性を生かした二人が起業

私(Ranjithさん)は以前会社に勤めていた頃、キャリアそっちのけで画像処理やコンピュータ・ビジョンに関する仕事をしており、2012~2013年頃にはコンピュータ・ビジョンに関するアプリケーションが現実に利用されるようになると直感していました。以前からこのようなアプリケーションはありましたが、精度が低く、このシステムを端末で実施できるだけのコンピュータの能力がありませんでした。しかし現在では、コンピュータの端末容量や、インターネットの容量が増加しており、アルゴリズムはより精緻になっています。この3点が揃ったことで、この分野で様々な周辺のアプリケーションが利用できるようになると感じ、当社を立ち上げました。カンファレンスで出会ったパートナーのNavanneeは、マーケティングと技術に関わる経験の持ち主。私は開発者として経験を積んでいるため、良いチームとなると思いました。

写真のキャプションが入ります写真のキャプションが入ります写真のキャプション

監視カメラの製造企業と連携し、さらなる成長を

今後のさらなる成長には、問い合わせ件数の獲得と資金調達、良いメンターの存在が重要だと考えています。そのためには他社との連携によりさらに販売を強化していく必要があり、特に新しい監視カメラの市場においてパートナーの存在は欠かせません。当社はソフトウェア開発に特化しているため、監視カメラを製造する企業と連携して当社のシステムと適応するカメラを開発したいと考えています。いずれはそれが標準的なカメラとなることを目指しています。当社のソフトを利用したいというメーカーと提携し、監視カメラを他と差別化していきたいと考えています。

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阪口 史保

阪口 史保 / Sakaguchi Shiho

フューチャーベンチャーキャピタル株式会社

今や日本の大企業を中心に次々と顧客を獲得している同社ですが、初めの1年半~2年は「いい反応があってデモを見せてもなかなか受注が決まらず、苦しい時期だった」とRanjithさん。AIを組み込んだカメラの開発にいち早く取り組んだことをきっかけに、その技術が注目を集めるようになりました。経営陣のお二人から、インドのスタートアップ企業のスピードとエネルギーを感じるインタビューでした。

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