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パイオニアマイグレーションへの特化で、世界へと展開するソフトウェア企業

2017.02.08

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マイグレーションへの特化で、世界へと展開するソフトウェア企業
メインフレームで構築された旧式のシステムを、ORACLEやJAVAなどの新しいプラットフォームに移行することを「レガシーマイグレーション」といいます。先進国で課題となっていた、このレガシーマイグレーションにいち早く目をつけ、自動化するツールを開発したBangalore Softsell。スピーディかつ低コストで、正確なシステム移行を実現しました。

これによって同社は、2000年にインドのバンガロール・チェンナイ・アメダバード市場に上場を果たし、インド・バンガロールから海外顧客を対象に事業を展開。この分野に集中特化することでインドにおけるパイオニアとして成長し、日本への展開にも意欲的です。今回は、Bangalore SoftsellのUsha P Raikarさんに事業の特徴やビジョンについてお伺いしました。

開発を自動化し、確実かつ高品質なサービスを提供

当社のコアバリューは、学習可能エンジンを搭載し、ソフトウェア開発の際に柔軟な構築ができるツールです。REMITという特許化されたツールを用いることで開発の自動化が可能になり、高い効率と低コスト、確実な開発期間で高品質なサービスを顧客に提供しています。

「学習可能エンジン」と「柔軟な構築ができる」ツールの特徴を生かして

1つ目の特徴、学習可能エンジンを持っているという点についてご紹介します。例えば、旧式のシステムで使われているプログラミング言語にCOBOL言語というものがあります。COBOL言語は少なくとも500万行のコードから成っており、その全ての行を正確にマイグレーションしなければ、アプリケーションが上手く機能しません。学習可能エンジンは、その全ての行を読み取り、「正確にマイグレーションされている部分」「正確にマグレーションされていない部分」「全くマイグレーションがされていない部分」の3つを分けて表示するのです。最初にマイグレーションをした時に2%の行が正しく変換されなかったとします。それが確認できるので、次はその2%に対しマイグレーションをし、完全に変換された状態へと近付けていきます。その際に、開発者はルールを構築したり、調整することができ、状況に合わせてマイグレーションを調整することができます。

 

2つ目は、複数の開発言語によるプログラム構成が可能であるという点です。要望は顧客によって様々です。ある南アフリカの保険会社は、picからJava言語に移行しましたが、半年後には他の新しい言語に変更したいと要望がありました。その場その場で、臨機応変な対応が求められます。

 

これらの特徴を活かし、我々は実践的で実現可能なプロジェクトマネジメントを行っています。当社では、この分野を熟知したチームと経営陣が、顧客からの様々な要求に応えるために、常に新たなことに取り組んでいます。この分野において、すでに20年間もノウハウを蓄積しており、常に新しい技術動向を見据えながらサービスを提供しています。

「技術」「人材確保」「取引」。顧客が抱える3つの問題

当社の顧客は常に変化しており、現在はインドよりも海外の顧客を多く抱えています。顧客の抱えている問題は、次の3つのいずれかにあてはまる場合が多いです。

 

1つ目は技術的な問題。ある銀行では、古い技術を使ったシステムを使用されていたため、修正をする必要が生じており、手間やエラー、サーバのダウンなどのトラブルが想定されていました。同行からは、集中管理するために拠点のデータをリアルタイムで見ることのできる、インターネット基盤のメインフレームに移行したいという要望をいただきました。2つ目は社内システムエンジニアの確保について。3つ目は、ビジネス取引に起因する問題です。南アフリカの保険会社の事例では、運用されているシステムの機能や処理速度に問題はなかったのですが、ベンダーが財政的困難な状況に陥り、倒産もしくは、買収されるかもしれないという噂が立ちました。そのような買収の際には、ソフトウェア開発部門が売却されることもしばしば。そのため、今後どのようにメンテナンスされていくのか、先行きが不透明になってしまい、当社にシステムをpicからJava言語に変更したいと依頼をいただきました。

 

これら3つの問題はすべて、古いシステムを利用していることで起こっています。そのため、当社の顧客がマイグレーションをされる理由は、開発できる人材がいなくなる、技術が古くなったために新しくする必要がある、古いシステムが新たな事業展開に対応できない、といったものに集約されます。1960年代から現在に至るまでに発明されたソフトウェア言語は2000以上あると言われますが、よく利用されるものはたったの6~8言語です。先の例のpicのように当社が開発を手がけたことがなかった言語でも、顧客の要望に応じて常に先行投資をして開発をすることを心がけています。その結果、当社では現在15の言語からインターネットベースの言語にマイグレーションすることが可能になっています。

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事業展開のなかで学んだ「顧客中心主義」と「変化する技術への対応」

これまでの事業展開の中で学んだことは、一つ目に顧客中心主義ということです。自分が売りたいものではなく、顧客が買いたいと思うものを売り、自分ではなく顧客が素晴らしいと感じるものを売ることが大切です。基本ではありますが、技術的な会社であればあるほど見失いがちな点です。例えば、製品を開発して、「何て素晴らしい製品だ、みんなが欲しがるだろう」と思ったところで、いざ販売すると誰も欲しがらないということも十分にありえます。そこで、製品の想定顧客にヒアリングを行うと「この製品は良いけれど、ここが気に入らない」「この製品は全然駄目だ」といった率直な感想が得られ、中には「この製品をこう変えたら買うよ」という人も出てきます。このようにして、我々は客観的なアドバイスを受けながら、顧客中心というやり方を学んできたのです。顧客が欲しがるものを売れば、その製品はヒットします。

 

二つ目は、技術がどんどん変わっていく中で、実現可能なものだけを提供することです。ソフトウェア開発技術は日々進歩しており、新しい技術に取り組むことはもちろん、最後まで責任を持って開発ができると見通しを立て、確実なプロジェクト運用をするということが大切です。

自動化ツールの導入により業界のリーディングカンパニーに

当社は、レガシーマイグレーションに集中特化して継続的に開発を行い、サービスを提供しているインドでは唯一の企業です。将来的には、自動化ツールを用いることにより、インドにおいてマイグレーションベンダーのリーディングカンパニーになりたいと考えています。そのためには、ソフトウェア開発企業やERPベンダー、システムインテグレータなどの海外企業との連携が必須です。当社の顧客の多くは海外企業のため、現地の企業との連携を深めることが当社のさらなる成長につながると確信しています。

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阪口 史保

阪口 史保 / Sakaguchi Shiho

フューチャーベンチャーキャピタル株式会社

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