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レポートNo Venture No Future【今西土地建物株式会社】

2018.02.28

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No Venture No Future【今西土地建物株式会社】
この記事は、フューチャーベンチャーキャピタル株式会社(以下FVC)が日ごろお世話になっている方々と対談し、ベンチャーの育成や新事業の開発など「いかにして事業を成功に導くか」をテーマに、対談相手の皆様の戦略等をはじめ、FVCの事業戦略なども併せてお話しさせていただくものです。
第7回のお相手は、今西土地建物株式会社の代表取締役社長を務める今西頼久様。大阪でコワーキング施設を運営し、企業を世界に繋げるハブとして存在感を増す今西土地建物の取り組みと成功の秘訣、今後の展望などについて、FVC松本が対談させていただきました。

コワーキング施設の開設・運営で、
どんどん繋がる世界との縁

松本
まずは御社の会社概要を教えてください。

 

今西
我々の事業としては、一つはビル事業、不動産仲介事業と、コンサルティング事業の三本柱です。今は主に、CRE(コーポレート・リアル・エステート)マネジメントという企業不動産をマネジメントする事業が主体となっています。事業法人が保有する不動産投資の運用方法について、我々不動産のプロ目線からアドバイス・コンサルティングをしています。
あとは、コワーキング施設「share YODOYABASHI deck」を御社と共同で運営しています。これは一般的な不動産屋はなかなかされない形だと思います。そういったものを含めて、多岐にわたる事業展開を行っています。

 

松本
不動産事業を展開している御社が、コワーキング事業を始めたきっかけは何でしょうか?

 

今西
京都で御社が長谷ビルさんと共同でコワーキング施設を始めたと聞きまして、私の方から「それなら淀屋橋でもやりましょう」と言ったのがきっかけでしたね。

 

松本
その当時、梅田・淀屋橋界隈のコワーキング施設の環境はどうでしたか?

 

今西
当時はコワーキング施設が少なく、その界隈だと3~4つくらいしかありませんでした。あとは、勉強部屋みたいなところはありましたね。

 

松本
今はどれぐらいあるんですか?

 

今西
今は増えましたよね。多分7~8つぐらい増えたんじゃないかな。
ただ、東京と比べるとまだまだ少ないですよね。

 

松本
東京は、大企業がオープンイノベーションを目的にコワーキング施設を開設したり、自治体が起業家を増やすことを目的に運営していたり、激戦地区ですよね。

 

今西
東京は新規参入も多いですが、優勝劣敗がはっきりしていますよね。そういう意味では、大阪はまだ数が少ない分、コワーキング施設の特色づけがしやすいというのはありますよね。

 

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松本
「share YODOYABASHI deck」は、開設前はどういう施設にしようと思い、またその思いが現在はどのようになっていますか?

 

今西
私がビジネススクールに在籍していた時、「〇〇事業をしたい」と起業に向けた話をする在校生が多かったんです。
そういうスピンアウト、リタイア組を受け皿にするスペースって、比較的ニーズがあるのではないか?と考えたんですね。特に淀屋橋は大企業が多いので、立地条件やニーズなど条件がそろっていたので、そういう方を受け皿にするスペースにしたいと思っていました。
いざ開設すると、意外とニーズが少なくて、開設当初は利用者の集客が大変でした。
そうこうしていると、コワーキング施設をやっているということが宣伝効果になって、3年前にフランスで起業している日本人からパリでコワーキング施設をやりませんか?と声をかけてもらいました。

 

松本
思いがけない効果を生み出していますね。
そのフランス法人と出会ったきっかけを教えてください。

 

今西
そのフランス法人は日本の海外進出を支援する事業を行っています。また、そのフランス法人で働いている人は全員日本人なんですよ。
日本企業は海外進出する際に、ジェトロの展示会に出展することが多いんですよね。
展示会に出展すると、出展費用以外にもいろんな費用がかかります。往復の飛行機代、ホテル代、接待交際費、出展用のツール作成費などでトータル200~300万円くらい掛かるんです。出展し名刺交換できた、先方の評価も高い、ところがいざメールを送ってコンタクトを取ってみたら、全然返信がないぞ……という感じで、どんどん疲弊していくんです。
このような企業が多い中で、まずはジェトロに出展する前に、ニーズ、ブランディング、プライシング、デザインなど、きちんとマーケティングできるようにフォローをして、自社で運営しているショールーム「Maison Wa」に安価で出展する仕組みを作りました。
そのフランス法人がたまたま日本のパートナーを探していることを聞いて、資本参加と経営参加することになったんです。

 

松本
確かに1回出展するだけで莫大な費用がかかるのに、効果がいまひとつだと何のために出展したんだ?ってなりますよね。
そのマーケティングとショールームがコワーキング施設とどのように結びつくんでしょうか?

 

今西
そのフランス法人が、クールジャパン機構さんに出資いただいたお陰で、各地方自治体のパリにおけるイベントを受託できるようになったんです。当初、テストマーケティングの受託数が10件だったのですが、現在55件になり、おかげさまでフランスのマーケティング事業は安定しました。
そんなときに、展示会ベースで出張気分で来るよりも、現地に拠点を置いてやった方がいいですよね、という話になったんです。
ちょうどフランス法人のメンバーも15人体制になったので、コワーキング事業を展開するのに良い時期じゃないかなっていう話になって。
それで、パリでのコワーキング施設を2018年4月ぐらいから稼働するスケジュールで準備を進めています。

 

松本
コワーキング施設の規模はどれくらいになりますか?

 

今西
「share YODOYABASHI deck」とほとんど変わりないくらいで、席数は20くらい。あとは個別ブースも設けます。

 

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他エリアとの連携、マーケティングサービス導入
など、成功の秘訣にクローズアップ

松本
思わぬ展開をみせたコワーキング事業ですが、その成功の秘訣を教えてください。

 

今西
コワーキング施設には特色を作らないといけないんですよね。
そういう意味では今回のフランスでのコワーキング施設の開設は「世界」という枠組みで特色だと思うんです。今後は東京、北米の進出を狙っています。そうなると各拠点でいろいろ連携ができるんですよね。
海外進出で心折れちゃった人ももう一度トライアルできる場所があると安心しますよね。そういう場づくりをしたいですね。
あと、1980年代のバブルの時、不動産って凄い優良資産だったのがバブル崩壊後、信用が落ちました。で、我々はその信用を取り戻したいっていうのがあったんです。今回でいうとマーケティングと場所性を組み合わせることで新たな機能を生み出すのを今回感じましたし、不動産の信用を取り戻す起点になるのかなって思いましたね。

 

松本
どちらかというと今までのコワーキングとかシェアオフィスのイメージってその場所だけで完結することが多かったですが、今西土地建物さんのように他のエリアと連携したり、マーケティングサービスを導入したりすることで付加価値をつけるという発想は、非常におもしろいですよね。

 

今西
現在はマーケティングとコワーキングを合わせた形で、プラットフォームを作っている段階です。

 

松本
ちなみに、日本でのそういったテストマーケティングをしたい、海外に進出したいという企業への営業って、どういう風にされてらっしゃるんですか?

 

今西
全国の地域経済産業やクールジャパン機構などからテストマーケティングの公募をしたり、Facebookページで告知したりしていますね。

 

松本
テストマーケティングの料金は実際、いくらくらいかかるのですか?

 

今西
送料は別ですけど、事業費としていただいているのが月3万円+消費税だけなんです。
もし、すべて自前で行くとなると滞在費や往復の交通費でもっとかかりますよね。

 

松本
それはめちゃくちゃ安いですね! それで採算はとれますか?

 

今西
我々ジャパンチームとしてはしっかりと収支設定をし、早期に成功モデルをつくっていきたいと考えています。
なんとなく海外で売れるかな?っていう意識の人は難しいんです。やっぱり問題意識をもって国内事業もいいんだけどちゃんと海外展開もしたい、どうしたらいいのかを含めてしっかり考えている方にとっては非常にいいファーストステップの機会を提供できていると思います。
ですので、パリに出展したい企業には「なぜ出展したいのか、今後どのような展開を考えているのか、我々にはこういうことができる」など、ちゃんと固めて説明できる本気の方だけにパリに行ってもらっています。

 

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海外進出に挑戦したいベンチャー企業を
今後も積極的に全力支援

今西
FVC前会長の今庄さんとのご縁があって、シェアオフィスを一緒にやったのがすべてのきっかけだったんです。
設立当初数年間はどうしようって悩んだこともあったのですが、そのおかげで今があるので、そういう意味ではFVCさんとのご縁には本当に感謝しております。
FVCさんはファンドを通してベンチャー企業を支援されているので、いい形でなにかご協力できればと思います。
今後、我々としてはどんどん拠点を確保していく予定ですので、そういったところで本気で海外で勝負したいというベンチャー企業をぜひ紹介していただければと思います。

 

松本
そうですね。我々も海外展開を考えているベンチャー企業を支援するプランを検討していますので、ぜひ連携させてください。

 

今西
今後もフランスでスタートアップ向けのイベントの場を作りますので、ぜひ日本のベンチャーキャピタルの社長として、オープニングセレモニーでお話ししていただくのもありです。
フランスでも、IPO実績のある日本のベンチャーキャピタルの社長が来るっていうのは、結構インパクトがあるんですよ。
日系企業と交流したいフランスの起業家も多いんです。そういう意味では、御社がベンチャーキャピタルとしての立場でフランスのスタートアップ企業と御社の投資先をマッチングしたら、おもしろいかもしれないですよね。結局場所の価値って、人であったり情報が集まって交流して繋がっていったり、というところにあると思います。そういう意味では、僕がずっと描いてきたコワーキング施設ができてきたと思っています。

 

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松本直人

松本直人 / Matsumoto Naoto

フューチャーベンチャーキャピタル株式会社 代表取締役社長

マーケティングサービスをも受けられるコワーキング施設は、スタートアップにとって非常に魅力的なサービスです。
今後もあらゆるエリアに拠点を設け、他エリアと連携を図ることでビジネスとしての繋がりを深めていくことができるのも、スタートアップにとっては大きなメリットとなるでしょう。
「場所」を通してスタートアップを支援する今西土地建物さんの新しい取り組みに、FVCは今後も協力していきたいと思います。

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